もしあなたの大切な人だったらどうしますか




パンダ4 「もしあなたの大切な人だったらどうされますか?」ブランコぱんだ

3才
<3才の時 訓練の先生と>



手術目的で療育園に入園したものの 手術前日に熱を出し


手術はしないと本人の気持ちが変わり 


集中訓練を行って股関節等の改善を願って約7ヶ月が過ぎた。


手術は定期的に撮るレントゲンの結果次第で、、


ということで 本人の気持ちを最優先してしばらくの時が流れた。



手術は必要と最初からわかっていた。



筋肉を6ヶ所切る手術。切ることなんていつでもできる。



しかし私は後悔しないようにできるところまで本人が努力して



本当にやっぱり必要かなと本人が感じてそれからでも



遅くはないとずっと思っていた。



周りの子どもたちと比べる必要は何ひとつもなく


ももかにとっていちばん大切なのは「受け入れる」体制へ



時間をかけてあげることだと思っていたからだ。



周りからみてそれは時間をかけすぎているように見えても



それは私にとってたいしたことではない。



いちばん大切なのは彼女だから。



赤ちゃんのときからゆっくりゆっくり一緒に歩んできた。



いまさらあせる必要なんて何もない。



周りと比べるからつらくなる。



私にはくらべるものなんて何もない。



そのままの彼女がすべてで



今この時がすべてなのだから。



人間は実に小さな生き物で



人生に与えられた時間すら知らない。



私にはそして彼女にはどれだけの時間が与えられているのかは


知らないけれど



まだまだたっぷりと時間はあるのだから



今回の手術にイノチにかかわっているわけではない



私は何もあせる必要はないと思っている。




人一倍怖がりの彼女なので 自分の心に「やります」



「自分で決めた」という想いがないと



たとえ手術となっても



術後の長期リハビリが(半年から一年の入院)絶えられないし



つらいものになると思ったから。



7才のときの女子医大の手術も一緒に決めた。



前回の手術の朝彼女は言った。



「ママ今日手術だね!~\(o^▽^o)/~ おめでとうって言って!!」



実に楽しみにして手術を受けて乗り越えた過去がある。




年末に再度レントゲンを撮りやはり手術が必要との話があった。



股関節の臼蓋形成不全。



骨を削っている、痛みが出てくるとのことで



すぐにでもした方がよいとの医師の意見。



そして数年後でも良いとの他の医師の意見。



訓練の先生の絶対したほうがいいとの意見が突然に変わり




本人の心を思ったら3月には退園して数年後に、、との話。




専門家の一言は実に大きい。



わたしはしばらく混乱して



どうするべきなのかが正直わけがわからなくなった。




先生方のご意見は「これから手術を受けることへの負担」、



本人の心の部分のことも考えての職業人プラスその方自身の



温かいお気持ちがあってのことなので・・・




いちばん大切なのは彼女にとってどうするべきか、




再度入園して手術をする不安を抱えて数年待つことと




今の環境の中 手術に向けて心を切りかえることと




どちらがいいのか、





いま実に伸びている院内学級からまた小学校へ今の時期戻ることが



本人にとって本当にベストなのか




女の子だから高学年になると身体の変化もあるだろう。




骨のこと、股関節のこと、体のこと、心のこと、学校のこと、、




どちらかを選べばどちらかが、、となる。





頭の中が混乱してこころがつぶされそうになった。




医師が説明に使ってくださる過去のデーターやレントゲン写真は



私にはあまりにリアルすぎて 胸の中でただただ




失望感やなるせない気持ちが膨らんだ。




やっても元に戻る可能性が高い手術を誰が受けたいだろうか。



やらなくて痛みがでてくるならば やる方にかけてあげたいと




思うのが親心?それとも無意味な手術をしないチョイスをする方が



本人のため?  





「一度目の手術をして元に戻って次の手術で、、こうなって、、」




医師の話、、レントゲンの写真、、




真剣に聞いている私




でもこころに突然ひろがったのは 




あの時 初めてあなたを抱きしめたときの あのときの気持ちが




あふれて こころにあふれて




気持ちを抑えようとしてもそれはとまらなくて




涙が次から次へとあふれてきた




見られないように髪で隠して少し私は横を向いた。



ママはあなたのためにあなたの未来のために




今 どの方法をチョイスしたらいいのかな、、






私は医師やPT,OT等職業人としてのとらえかただけではなく


本当にあなたにとって大切な人だったらどうするかを



それぞれの先生たちに伺った。




まず少し「えっ?」という感じで驚かれる。





医師としてはこうするといっても 





もし自分の大切な人だったら、、




と考えると先生たちは数秒真剣な顔をされて考えて




気持ちを話してくれる。




医師としての回答と違うこともある。




私にとってはこちらの方が大切だったりする。




私にとって普通な当たり前の医学知識や答えも大切ではあるけれど



「もし自分の大切な孫だったら、、、」



「自分の愛する子どもだったら、、、」




「自分の両親やきょうだいだったら、、」




ここにほぼ答えがあると思う。




あとは私と本人のチョイスプラス親のカンだ。




カンです 




「いまだ!という心のGOサイン」




私にはとても重要だったりする。





もうひとつ書いておこう。


以前私は車椅子の業者さんと大喧嘩をしたことがある。


それは実に事務的で利用者の気持ちを全く考えてないと感じたからだ。



「もしあなたのお子さんだったらどうされますか?」



彼は一瞬ハッとした顔をした。



「いちばん大切なのは誰でもない



普段利用する利用者ではないのですか?」



でもそれからその業者さんとはとても仲良くなった。


お互い気軽にいつも話しかけ


爽やかな笑顔に励まされる日もあった。


色んなアドバイスを頂いたり 探してもらったりと


信頼関係が作られていった。


次に車椅子を作る時もまた彼にお願いしたいと思っている。




制服ももたん
<ももかの宝箱本館には↑車椅子の素材があるよ♪>



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